上下関係

最近のおっちゃんの楽しみ。
中古CD屋での”オトナ買い”。


中古屋で、っていうのがちょい情けないですが。
タワレコとかではもう店頭にないようなアルバムがあったりするしね。
しかも安いから気兼ねなくドォ〜んと買えますやん。

自身がバンド少年だった頃、LP→CDというメディアの世代交代の時期でした。
友人から回ってくるのは、何代目のコピーか分からんような”シュワシュワ”な音になってしまったカセットテープがほとんどでした。
また、ダビングする機材もみんないろいろで、やたら音が大きかったり小さかったり。
マスタリングエンジニアが聞いたら嘆き悲しむ話ですね。
「オレの仕事は何やってん!?」

そんな当時の音源を中古屋で見つけると、つい手が伸びてしまいますねぇ。
最近「懐かしいぃぃ〜!」と狂喜したのは、「Mr.Big/Mr.Big」です。
デビュ−アルバムね。
早弾き・テクニック志向全盛だったあの頃、RacerXのポールさんと、Talasのビリーさんのコラボは最強の組み合わせでしたね。
(ついて来れない人、もう良いですよ。今回はちょっと題材がマニアック)
1曲目の「Addicted〜」からもう興奮全開やね。
後半(テープ時代には”B面”という言葉がありましたね)になっていくにつれ、トーンダウンしてしまうのが残念でしたが、それはこのバンド自体の行く末を暗示していたんでしょうか…

ときは2008年。
音楽でメシを食えるようになったおっさんの耳で、改めて聴いてみると。
ギターが小さいねぇ。
こんな音量でえぇの?
ま、当時から”Bass:ビリーさん”を前面に押し出したバンドでしたから、当たり前と言えば当たり前。
しかし、それ以上に世の中の常識となっているのは、ギタリストの「オレが前」発想。
もっとデカく。
もっと目立つように。
ライブでもレコーディングでも、ギタリストの言うことは同じ。


元ギターマンのおっさんが言うんだから間違いなし。

その点、Mr.Bigでは「よく我慢したね〜」と感心するほどの音量。
確かにその我慢精神があってこその、あのサウンド。
パートの分離感も心地よく、立体的なギター:ベースのリフの応酬も上手くまとまってます。
(お、今日は音楽っぽい文章になってるやん!)
ポールさんの”我慢”がバンドを成功へと導いた、素晴らしい例です。
はい、合格。

それに比べMotorHead:ギターいらんだろ。お休みしてても差し支えなし。
それに比べMetallica:ギター2人のバランスとるだけで大変。
それに比べIronMaiden:ドラムの人、もっと練習しなさい…

どれも、エンジニアさんは大変やったことと思います。
みんな偏屈+ワガママそうやし。


思うに上記のMr.Bigの場合、ポールさんが素人時代からビリーさんのバンドのファンだったことが、「上下関係ピシっ!」という状況を当初から生んでたんでしょうね。

レコーディングもお仕事も。
やっぱ人間関係ですね。


エゴよりエコ。
ではまた次回、ハードロック講座をお楽しみに。
(いつの間に…?)

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